ケア・ハンズだより


地域での助け合いが必要とされています。          平成28年11月発行(127号)

 爽やかな秋晴れになると、ジメジメしていた室内に風が通り、終日気怠かった身体中に勢いが甦ってきました。四季があってよかったと、今年ほど感じた年はありませんでした。

 

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 前号でお知らせしました10月20日の『まちづくりフォーラムinさいたま ~まちは、今、あなたの力を求めています~』は、320名の参加者で盛況でした。

 このフォーラムは、さいたま市・さいたま市社協・高齢者生活支援推進協議会が主催で、地域住民の方々に、介護保険制度が変わり、地域住民の助け合いが必要である旨を、伝えることを目的としています。

 始めに、さいたま市から主催者のご挨拶がありましたが、具体的な制度の説明はなく、高齢化率の説明に留まりました。次は、公益財団法人さわやか福祉財団の堀田力会長の基調講演でした。お話の内容を簡単に説明いたします。

 国は国民の了解を得ないで、介護保険制度を改正するが、新制度の下では、住民参加の助け合いが必要であると提唱していることの説明から始まりました。それから順次、介護保険を使う世代が、何をしていかなければならないのかを分かりやすい事例を挙げながら話を進められました。「高齢化率が上昇するため、介護保険料の負担がこれからも増えていく。その負担をすくなくするためには、シニア世代が、お互いに助け合える地域を創っていかねばならない。」

 その後、パネルデイスカッションとなり、大宮南地区社協の小峯正昭さん、ヘルシーカフェのら&BABAラボの小峰弘明さん、ケア・ハンズの中村清子、特養扇の杜の杉浦佑介さんからそれぞれが携わっている活動紹介へと進みました。

 このフォーラムの後、具体的な助け合い活動が始められるように各区10か所でミニフォーラムが開催されます。ご興味ある方は、ケア・ハンズまでお問い合わせください。

 今年度の会報は、今号で最後になります。新年のご挨拶は、来春初めのケア・ハンズだよりに代えさせていただきます。気温の変化が大きいのでご自愛くださいますように。

                                    中村清子

「生活支援サービス」は高齢者の社会参加が必要!? ③       平成28年9月発行(126号)

 今年の真夏の太陽は、今まで経験したことのない強い日差しで、利用会員のご家庭の室温や体調の管理、協力会員の移動中の暑さなどが心配でした。また、豪雨や強風の日は、自転車で移動する協力会員のケガや事故が心配で、お休みをいただくこともありましたので、利用会員にはご迷惑をおかけしました。9月は台風シーズンですので、まだまだ、気を緩めないで注意して行きたいものです。

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 前号に続いて改正された介護保険制度について説明をいたします。

 介護認定を受けて非該当になった方は、「介護予防・生活支援サービス」を受けることができると、前号で説明しました。ところがその後、さいたま市ではこの非該当になった方のための「訪問型サービスB(住民主体による支援)」と呼ばれるサービスは、当面実施しないことが分かりました。この「介護予防・生活支援サービス」は市町村の判断基準に任されているので、市町村の判断で決められるのです。制度の中では、介護認定で非該当になったけれど、何らかの支援が必要な方のためには、近隣の住民同士が助け合い、支え合いができる仕組みを作りましょう!と提唱しています。誰もが立ち寄れるサロンのような場所を作り、地域の方々が互いに顔の見える関係となり、見守りやごみ出しなどのちょっとした手助けができるようになることを期待しています。サロンで出会った方同士で助け合いができれば、シニア世代の介護予防になるという考えです。ケア・ハンズとしては住民が活躍できる「訪問型サービスB」を実施することを、委員会等で強く要望してまいりましたが、力及びませんでした。

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 さいたま市では先ずは要支援1又は2になった方のための「訪問型サービスA」と呼ぶ「予防給付」から取り組むということです。制度の中で「住民同士の助け合いが必要で、その為の補助をする」という段階まで来たのに、とても残念です。改正された介護保険制度の説明はこれで終わりにします。文面だけではお分かりにくいと存じますので、ご質問あれば事務局までご連絡ください。

                                 中村 清子

「生活支援サービス」は高齢者の社会参加が必要!? ②        平成28年7月発行(125号)

今年の梅雨は塀の上から零れそうに咲いている紫陽花に目を惹かれました。我が家の庭には、「墨田の花火」というガクアジサイが咲いて、花言葉の「謙虚」さの中にそれなりの華やかさを漂わせていましたが、晴れた日、太陽の下で萎れていく姿には花火のような潔さはなく、老いていく儚さと重なりました。ある園芸好きの作家は、それすら美しいと表現されていますが、まだ、その境地にはなれません。

 

前号に続いて改正された介護保険制度について説明をいたします。

多くの方から要支援1または2と判定された方へのサービスが、なくなるのではないかというご質問をいただきますが、なくなることはありません。

サービスを受けるためには、地域包括支援センターか「①市町村の窓口」に相談します。そこで指定の「②チェックリスト」による判断を受けて、今までのような「③要介護認定の申請」をするか、「④サービス事業対象者」を利用するかに分けられます。

その結果、要介護1~5と認定された方は従来通りの「⑤介護給付」サービスを受けることができます。

要支援1~2となった方も今までのように「⑥予防給付」としてのサービスが受けられます。ここで「非該当」となった方は総合事業として始まった「⑦介護予防・生活支援サービス」を受けることになります。

「チェックリスト」で要介護認定申請に該当しなかった方は、「サービス事業対象者」として「⑦介護予防・生活支援サービス」を受けることができます。

説明内容を左図に示しましたが、介護保険用語でおわかりにくいかとは存じます。ご質問などがございましたら、ご遠慮なく事務局までご連絡ください。次号に続きます。

                                     代表 中村清子

「生活支援サービス」は高齢者の社会参加が必要                           平成28年5月発行(124号)

バラの蕾が膨らむ頃、その陰で貝母(バイモ)の葉が萎れていきます。数年前に友人から株を

いただき、淡黄緑色の鐘状の花がやっと群生(?)しているように咲いて、目をひかれました。

貝母はユリ科の多年草で花言葉は『謙虚な心・努力』、下さった方のお人柄が偲ばれます。

『恋の花』の花言葉を持つクロユリも同じバイモ属です。

春は、別れと出会いの季節。4月には、ケア・ハンズの活動を理解してくださっていた、さいたま

市の役所職員の方々が退職や異動となり、心細くなりました。

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昨年,介護保険制度が改正されました。新地域支援事業として新しいサービスがすでに始まっ

ている市町村もありますが、さいたま市では来年度から始まります。

2025年には、高齢者が増加し介護保険にかかる費用が増大しますが、65歳以下の支え手

が減少するために保険料収入の減少と介護人材の不足が予測されます。そのために介護予防

を充実して、介護保険サービスに頼らないような暮らし方を目標とした、介護予防(要支援1と2)

サービスが主な改正点となっています。

新しい『介護予防サービス』は、全国共通で実施される『介護保険サービス』とは違い、市町村

ごとに実施されることになります。   

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その「介護予防」においては、住民自ら『生活支援サービス』を創出することが求められています。

要支援の方で、専門的な「身体介護と生活支援」を必要と認められる場合は従来の『介護保険

サービス』の利用。「生活支援」のサービスを必要と認められる場合は、新しく始まる『生活支援サ

ービス』を利用することになります。

『生活支援サービス』は、高齢者の社会参加の促進や介護予防につながる事業として、無資格

でもサービスの提供が可能で、近隣の方々がボランテイアとして参加されるようにと提唱してい

ます。

さいたま市では、委員会で議論を重ねていますが、住民の方への説明は9月頃を予定しています。

これだけの説明では解かりにくく、ご不安が増すかとも思いますが、順次詳しくお伝えしてまいります。

                                 代表  中村 清子

ケア・ハンズのルールをご存じですか?!               平成28年3月発行123号

三寒四温を繰り返しながら、春が近づいて来るのでしょうか。

会員の皆様におかれましては、インフレンザの猛威にもあまり影響なく過ごされましたことに、安堵いたしております。

先にお伝えしましたように、介護保険制度の改正によって、「地域の支え合い活動」が必要であると、制度のなかで定義づけされています。そのため、20年も の間『支え合い活動』を実践しているケア・ハンズの運営方法や活動状況を説明してほしいと、福祉関係の方からの依頼が多くなりました。

また、ケアマネジャーの方々が、利用する方へ「ケア・ハンズさんは信頼できて、来てくれる人も一生懸命にしてくださるから」と、紹介してくださることがた びたびあります。そのように言っていただくのは嬉しい反面、まだまだ課題は多いのにと、恥ずかしい気持ちにもなります。

このようなことをお伝えすると、会員の方の中には、「希望通りの対応ができていないのに」という、ご不満やご意見をお持ちの方もいらっしゃるかも知れません。

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どなたにも十分にご満足頂けることは、出来なかったかも知れませんが、今まで大きなトラブルや事故もなく続けてこられたのは、会員の皆様が活動主旨をご理 解くださり、ルールを守って協力してくださったからこそのことと、思います。また、手前味噌にはなりますが、どのようなことにも怯まないで、解決への努力 を惜しまない事務局スタッフのチームワークも、ケア・ハンズらしさの源と、自負しております。

そして、ケア・ハンズに関わってくださった行政や社会福祉協議会、地域包括支援センターやケアマネジャー、それからNPOの仲間、学識経験者の方々からのご支援からも大きな力をいただいております。

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組織を継続するためには、人と人との信頼関係が、一番に大切ですが、それを保つには一定のルールも必要と考えております。ご入会の時には、ケア・ハンズのルールをご説明し、ご理解いただけますよう努力しております。

どうぞ、利用会員の方も協力会員の方も、時々、ケア・ハンズのルールを読み返して、「互いに支え合う」ための組織であることを、心にとめていただきたいと願います。

 

                                                                                                                            代表 中村清子

迎 春     平成28年1月発行第 122号

身の回りが慌ただしいほどに便利になり、何事も人の手を煩わせな いで完結できることに、企業はしのぎを削っているように感じます。

 高齢者の安否確認も大事とばかり、そのための代行サービスも多種企 業 が参入してきました。NPOまでも参加しています。ガスや電気ポットの使用状況、スマートフォンのGPS機能や内蔵カメラ、専用アプリなどで自宅内の異変や、人の動きを捉えることもなっているようです。

電話一本かければ声の調子からその日の心身の様子が分かり、心も  がっていられるものを・・・ケア・ハンズは、今年も人の手を煩わせることを厭わずに、会員の皆様とお付き合いさせていただきたいと願っております。 

                      代表 中村 清子

 

認定NPO法人となりました      第121号

 

秋も深まり、冬支度にお忙しいことと存じます。                         

インフルエンザ等への予防措置も怠れませんね。毎年思うことですが、季節の移ろいを愉しむ間もなく、月日ばかりが過ぎていきまります。

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このたびケア・ハンズは、11月1日から認定特定非営利活動法人 (認定NPO)法人として、さいたま市より認証されました。長年にわたりケア・ハンズの活動にご協力とご支援をくださいました会員の皆様のお蔭です。心より御礼申し上げます。

また、ケア・ハンズは今までに、数えきれない方々と出会い、多くの方が私共の活動をご理解くださり、有形無形のご支援を頂きました。その方々への期待を裏切らないような活動でありたいとの思いもケア・ハンズを支える大きな力になってきました。

NPO法人制度は、2000年の介護保険制度が始まった年にできました。そして、NPO法人が介護保険事業に参入できることになりましたが、ケア・ハンズはNPO法人にはなるけれど介護保険事業者にはならない選択をしました。それは、個人の団体ではなく法人として活動を継続するためでした。また、ケアマネージャーにはならないけれど、利用者への対応などについて専門的な話ができるようになるため、私とスタッフ1名がケアマネージャーや介護福祉士の資格を取得しました。

そして、平成24年。改正NPO法があり、認定NPO法人となる準備段階として仮認定NPO法人の認証を受けました。それから3年間の猶予期間を経て、認定NPO法人となることができました。

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認定NPO法人の大きな特徴は、寄附者への「税制優遇」の適用ですが、ケア・ハンズはNPOとしての信頼を保つことを目的として、基準の厳しい認定NPO法人になることにチャレンジしました。しかし、名称だけで信頼が得られるものでもなく、今まで以上に心を引き締めて参ります。

皆様のご支援がますます必要です。

 これからも、ケア・ハンズへのご支援をよろしくお願い申し上げます。               

                                     ケア・ハンズ代表  中

ケア・ハンズへの3つのご質問       第120号

猛暑・酷暑に耐え・・・やっと元気を取り戻し始めた頃、 豪雨による大きな災害に見舞われてしまいました。 被災地の方には、心よりお見舞い申し上げます。

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前号で、会員のみなさまにアンケートのご記入をお願いしましたところ、早速の返信をいただいております。ありがとうございます。次号には、アンケートの集計とご質問等へのお応えをまとめてお送りする予定でおります。

今回は、ケア・ハンズを長年ご支援くださった方からの3つのご質問があり、会報での回答を希望されま

したのでお伝えします。改めて文字にするのは恥かしいのですが、振り返ってみたいと思います。

Q1 ケア・ハンズが20年間変わらずに通したことは何ですか?

A ・・ これは、もちろんパンフレットにも書いてあるとおり「できることを、できる範囲で、誠実に!」取り組むことです。新しいご依頼がある時も、協力会員に仕事をお願いする時も事務局スタッフの仕事でも、常にこれが基準です。それから、会員になって下さった全員が「自分らしい暮らしを続けること」。ケア・ハンズは、そのための努力をすること、です。自分自身に対しても「努力はするけれど無理はしないように」と言い聞かせています。

Q2 今まで途中で考えを変えたことはありますか?

A ・・ 設立当初は、それぞれの会員の方にとっての「自己実現」の方法としての活動でした。が、沢山の利用者と出会い、介護保険サービスだけでは「自分らしい暮らし」を続けることのできない現実と直面しました。そのため、「保険外の助け合い活動」として、地域での役割を持たねばならない、と気づきました。

 Q3 20年前と現在での違いを感じることはどんなことですか?

A ・・ 一番の違いは、組織としての事務局体制の基盤ができたことです。3人で始めましたので、てんやわんやの最初の数年間は、会員の中からボランティアを募り手伝っていただいておりました。当時の皆様には本当にお世話になりました。

以上が、私からの振り返りですが、ずっと、ケア・ハンズを支えてくださった皆様の目には、どのように映っていたのでしょうか。どうぞ、お聞かせください。

  代表 中村清子

                                       
                                           

介護保険制度の改正内容と実施時期にご留意ください                                                 第119号

             
名前に惹かれて数年前に植えた「半夏生」。六月、花びらを持たない白い小花をたくさんつける頃に、葉っぱが半ば白く色ずく様子がお化粧をしているようで「半化粧」とも書かれます。木陰にそこはかとない風情を添えてくれますが、これが増えること増えること。おまけにちょうど見頃の時期に、小さな虫がたくさんつきます。そう言えば、ドクダミも一輪ずつの花は可憐なのに、繁り始めると手に負えません。
「出る杭は打たれる。過ぎたるは及ばざるがごとし。適材適所・・・」など、どんな言葉がこういう状況に適切なのかと、わが身の処し方と置き換えながら手入れをしています。

           ∞    ∞

本年四月から改正された介護保険制度の実施が始まっています。
下記に改正のポイントを挙げてありますが、その⑪の「介護予防・日常生活支援総合事業」は今までにはなかった取り組みで、地域住民が介護予防としての助け合いをするような仕組みを提案しています。さいたま市では、平成二十九年度からの実施と決まりました。
実施に向けての委員会の会議の場に、私も参加させていただいておりますが、ケア・ハンズでの活動や、さわやか福祉財団のインストラクターとして学んできた事、NPOの活動者と情報交換している事など、その全てが貴重な情報となっています。
自分の分析力や表現力の不足をもどかしく思いながらも、ケア・ハンズでの二十年間の活動の集大成の気持ちで臨んでおります。
この「介護予防・日常生活支援総合事業」については決まり次第お知らせいたします。                
----介護保険制度改正のポイント------------

(「さいたま市の介護保険」の冊子より抜粋)
 ①介護報酬の改定
 ②介護保険料
 ③介護老人福祉施設の入所基準
 ④複合型サービスの名称が「看護小規模多機能型居宅介護」
 ⑤施設サービス多床室の居住費
 ⑥介護保険負担割合証の発行
 ⑦高額介護サービス費等の一部の上限額
 ⑧高額医療・高額介護合算制度の限度額
 ⑨一定以上所得者の利用者負担が2割に変更
 ⑩施設入所者の食費・居住費の補足給付の適用条件
 ⑪介護予防・日常生活支援総合事業の開始
 
 ☆詳細については、シニアサポートセンター・各区役所の高齢介護課・さいたまコールセンター

  (048-835-3156)にご相談下さい。   

 代表 中村清子